タネがあぶない!

私たちは子孫の残せない野菜を食べている

固定種、在来種のタネを取り扱う「野口種苗研究所」の野口勲さんによると、今の農家で使われているタネはほとんどが「F1」と呼ばれる1代限りしか使えないタネであるとのこと。
その中でも特に、雄蕊のない「雄性不稔」と呼ばれる生物学的に異常なタネが増えているといいます。
雄性不稔を使ったF1の技術はアメリカが発祥で、今はそれが世界基準になっています。
現状、日本ではタネ採りをする農家がいなくなって採種をほとんど海外に任せるようになりました。
しかし、海外では母親側の原種を雄性不稔にして花粉の出ない株を作り、それを用いてタネを作るようになりました。
つまり、今の日本人の主要な食べ物である葉物野菜が雄性不稔となり、子孫を残すことができない野菜ばかりを食べてしまっている状況です。
未来に命をつなぐことの出来ない野菜は、明らかに自然の摂理に反しています。
なので、私たちは自然の法則に従った「タネ採りのできる」固定種・在来種のタネにこだわって栽培を行っています。

F1のタネが使われている理由

野菜を生産する農家に求められることとして、同じ規格のものを大量に作ることが挙げられます。
また、出荷の都合として、生育まで揃えて収穫の時期を統一する方が効率が良いということもあります。
つまり、「見た目」と「成長速度」を生産者側に都合よく合わせたものがF1のタネとなります。
消費者もお店で野菜を選ぶ際は、ついつい形の揃った見栄えの良い作物を手に取り、いびつなものや不揃いの野菜は敬遠しがちです。
F1のタネが大量に使用されている理由はここにあります。

昔ながらの美味しい野菜

一方、「在来種」や「固定種」といったタネは一粒一粒に特徴・多様性があり、成長スピードも揃わないことが多くなります。
このことから、大量生産・大量出荷には向かず、ひとつひとつ成長の様子を見ながら収穫・出荷することが必要です。
農協などまとまった数を取り扱うところは、規格に合う野菜かどうかを重視するため、このような栽培で育てた野菜はまず引き取ってくれません。
逆に言うと、小さな農家が直販をすることでしか在来種・固定種の野菜は市場に出せないのが現状です。
野菜の味を決めるのはタネと言われています。
本当に昔ながらの美味しい野菜を食べようと思ったら、やはり在来種・固定種のタネから育った野菜を選ぶしかないのです。

タネ採りする農家がいなくなった

戦後から自家採種をする農家が急激に減ってしまっています。
理由としては、以下が挙げられます。

①タネ採りまですると長期間畑を占有することになり割にあわない
②葉物、特にアブラナ科は交雑しやすいため、狭い土地で純粋な種採りをするのが非常に難しい
③F1種での栽培に慣れてしまい、F1からタネ採りしようとしても次の代の野菜は先祖帰りしてバラバラな作物しか採れないとわかり、タネは購入するものという認識に変わってしまった

タネ採りをしなくなると、毎回作りやすい同じ品種のタネを購入して蒔き続けることになります。
すると、栽培される野菜の品種も少なくなる一方となり、生物多様性が減少してしまいます。
多様性がなくなると、天候不順や病気・害虫が発生した場合、一度にすべての作物がやられてしまうことになります。
実際にアイルランドでは、ジャガイモが全滅して国民の2割が餓死したという歴史もあります。
最近の全国的な野菜の生育不良も、ここに一つの原因があると考えられるのではないでしょうか。

湘南二宮という里山地域の利点

私たちの住む湘南二宮は海に面した地域ですが、里山も多く残っており山間部に畑が点在しているという特徴があります。
そのため、周りからの農薬飛散がなく、近くの畑からの交雑の可能性も低いため、自家採種には理想的な環境です。
耕作放棄地を開墾して使っている畑も多いため、残留農薬も抜けており安心してタネ採りに取り組むことができます。

主要農作物種子法の廃止

2018年4月1日をもって、種子法が廃止されます。
種子法の概要と廃止の理由、そしてその後の影響については以下の通りです。

2018年3月21日 活動報告まとめより↓

http://無農薬野菜.com/%e6%97%a5%e6%9c%ac%e3%81%ae%e7%a8%ae%e5%ad%90%ef%bc%88%e3%81%9f%e3%81%ad%ef%bc%89%e3%82%92%e5%ae%88%e3%82%8b%e4%bc%9a%e3%80%80%e6%b4%bb%e5%8b%95%e5%a0%b1%e5%91%8a/

私たちは、種子法廃止の影響を非常に懸念しています。
少しでもタネを守る力になりたいと思い、「日本の種子(たね)を守る会」に入会しました。
日々の情報収集と、積極的な活動を心がけています。

 

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